わたしとあなたのありのまま ‥3‥
部屋の前の通路を、階段に向かって足早に歩く。


すぐに背後からドアの開く音が聞こえ、

「待てって、ほのかっ!」

愛しい声に呼び止められた。



もちろん無視だ。今私は、ものすっごく怒っているんだから。



テテテ……と、軽やかな足音が追って来て、左肘を掴まれグイと後方に引かれた。その反動で、私の身体は半回転してしまう。



目の前にはもちろん田所が居て。見上げないと顔が見えないほど近い。

だから、敢えて見上げない。目線なんか合わせてやらない。



だけど。


「本気で言ってんの?」

頭の天辺に落とされた声があんまり弱々しいから、ついうっかり見上げてしまった。田所は傷付いたような顔をして、縋るような瞳で見下げてくる。



なんだか――

私が悪いみたいじゃない。


狡いよ、田所。


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