わたしとあなたのありのまま ‥3‥
私の肘をしかと掴んだままの、ゴツゴツした大きな手が憎たらしい。自由な方の手で剥がそうとすれば、その手首を掴み上げられ完全に動きを封じられた。



ムスっと膨れて見上げれば、

「言えよ、そしたら放す」

伏し目がちに私を見下げ、田所が冷ややかに言う。



「言えって、何を?」

「浮気……しないって」


酷く言い辛そうにこぼして、フイと視線を外す。いつもの不機嫌顔なのに、どこか寂しげで今にも泣き出しそうに見えて。



愛しい気持ちが、私の意に反して胸の奥から一気に迫り上げて来た。



あーダメダメ。今日こそは懲らしめてやるんだから。

いつもいつも私を放置プレイしている罰だ。ちょっとぐらい不安になればいいんだ。


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