愛を教えて ―背徳の秘書―
カタログデータ上は四人乗りの車だ。しかし、後部座席は申し訳程度のスペースしかなかった。

走り屋向きのこの車で、カーセックスをしようなんて人間は少ないだろう。

カーセックス自体、いよいよ雪音と同じ歳のころに、友人の車を借りて馬鹿な真似をしていたくらいか。ホテル代が難なく払えるようになってからは、そんな真似はしなくなった。

少なくとも、宗の都合では……。


口では嫌がるが、雪音の瞳と下半身は本気で拒否してはいない。

おそらく、信じられないと思いながらも、信じたいのだろう。……信じさせてやりたい。それだけのことが、なぜ自分にはできないのか。

後悔と反省を抱え、狭い助手席で宗は雪音と繋がった。


「狭くてごめん……苦しい?」

「この車でエッチなんて……罰ゲーム、だって……言ってたくせ、に」

「こんな罰ゲームも、たまにならいいと思わない?」

「思わない! もうっ……あぁっ!」


コットンのスカートが捲れ上がり、腰の辺りで弛んでいる。白いショーツが左足首にかかったままだ。

宗が雪音の上半身を脱がせようとしたら、それは絶対にイヤだと言い張った。


「外から……見られたとき、どうするのよ?」


心配は要らないと言っても、気になるらしい。


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