大嫌いだから、ね? ③
 
 寝ている間、うとうとしている意識の中でお母さんが顔や、手足をタオルで拭いてくれていたような記憶があるけど。

 でも、もう微熱だし、意識も正常だから、こんなよれよれな格好で、光くんに会いたくない。

 恥ずかしいし、どんなふうに思われるかわからないから。
 


「急がなくちゃ」



 私は着替えを両腕にかかえて、浴室にむかった。



 それからは、いつもの私とは思えないくらい、超特急だった。

 手早くシャワーをあびて、身体を洗った。

 何日ぶりかのシャワーは気持ち良くて、身体が目覚めてくるって感じがした。

 もっとゆっくりしたいけど、我慢して、切り上げ。

 長い髪はいつもは丁寧にドライヤーをかけるんだけど、ゆっくりとかけている暇はなくて、半分くらいかわかして、また、がまん。

 ゆっくりしてると、いつ、お母さんがかえってくるかわからない。

 シャワーなんて浴びてたら、怒られるだろうし、なにより、また心配させてしまう。

 生乾きの髪はさっと結んで、それから部屋に戻った。

 閉め切ったままのカーテンを開けて、窓を開け放つ。

 窓の外は快晴。

 雨ばかりだったのに、久しぶりの晴れ。乾いた空気に庭の草花の香りも漂い、とても心地いい。





  
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