大嫌いだから、ね? ③
 
 気持ちいい新緑の風がそっとカーテンを揺らす中、私はまず埃を払って、それから掃除機をかけた。

 仕上げはアロマランプをつけて、オレンジスイートの香油をたらした。

 甘い香りが漂う。柑橘類の優しい香りだ。

 空気中を殺菌もしてくれるし、風邪予防にもいい。


 
「・・・われながら、がんばっちゃった」



 時計の針は、私が部屋を出てから、三十分ほどしかたってない。

 いつも、マイペースとか、とろいとか言われている私らしくない、早さだ。

 でも・・・ちょっと・・・



「つかれた」



 ペタンと、ベットの端に腰をおろす。

 暖かな日差しと、心地よい風が、眠気を誘う。

 瞼が下りてきて、眠気を覚まそうとせわしなく瞬きをして・・・ぷるぷる首をふって・・・、眠気に逆らおうとしたんだけど・・・

 無理だったみたい。





 とても幸せな、夢を見ていたような・・・見ているような気がする。

 意識はふわふわしていて、気持ち良い覚醒前の、まどろみ。

 そっとそれを妨げないように小声で話してくれているのかな?

 でも、聞こえてくる会話。

 なにも考えないで、それに耳を傾ける。


 

「・・・眠ってるんですか?」

「ええ。もう三時間くらいかしらね。

 私が買い物に行く前は起きていたんだけど。おなかすいたっていってたのに・・・。

 まだ、風邪完治したわけじゃないから、また眠ってしまったのね」



 そうっと、ドアが少しだけ開く音がきこえた。

 

  

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