大嫌いだから、ね? ③
もう、ダメ! 近すぎ。
「そっ、そう。もう、熱は下がったから。うん、もう全然平気、だからっ」
挙動不審にそういって、不自然なほどぎこちなく私は顔をそらした。だって、後ろには下がれなかったから。
私、顔ぜったい赤くなってるし、ふんわりと漂ってきた光くんの香りに無性にドキドキしてる。
香水? シャンプー? ハーブで言うなら、ミントみたいな、晴れた空みたいな匂いがした。
「それは、よかった」
挙動不審な私を気にすることなく、光くんはそらされた私の顔を覗き込んだ。
だから、近い・・・です、光くん。・・・顔。せっかく、精いっぱい出来るだけ離れてみたのに。
身動きがとれずに固まってる私に手をのばして、頬にふれた光くんの指先は私の髪に触れてた。
「ほっぺ、髪はりついてた」
「あ、ありがとう」
「陽菜の髪、いいにおいがする。
きつくない、花みたいな?」
「そう、かな?」
光くんもいいにおいするよ?
「おれ、好きだな。このにおい」
・・・好きって。
前から、このシャンプーの香り好きだったけれど、これからはもっともっと好きになりそうな気がした。