イケメン殿様と平凡少女
「って出てきたものの…」
気づけば萌絵は
林の中にいた。
とにかく電車か何かに
乗らなければ
自分の家には
帰れそうもなかった。
彼女は半ばやけくそに
なっていたのだ。
「ケータイも圏外だし…。
はあ…」
その時微かだが
人の声が林に響いた。
「誰かいるんだ!
しかも少人数の
声じゃない!
家に帰れるかも!!」
萌絵は心を踊らせ
声を頼りに進んだ。
そして開けた場所が
やっと見えてきた時…
萌絵は目を疑った。
「!!
嘘でしょ…」