不格好な恋愛。~Special Short Novel~
目が覚めた。
瞼を閉じていてもわかる光の強さで自然と目が覚めた。
起きあがると、びっくり!!
寝ていたと思っていたところは自分の部屋ではなかったのだ。
「どこ、ここ!?」
思わず声を上げた。
あたしが寝ていたのはふかふかのベッド(多分シングル用ではないだろう)。
自分の部屋の何倍も広い部屋。
とても高価そうな絨毯、テーブル、椅子、ソファ、カーテン…まだまだ高そうなものが部屋に置いてある。
まるで、中世ヨーロッパの貴族の家にいるみたいだった。
さらに自分の着ている服に驚いた。
「…なんでドレス?」
白いひらひらのドレスを身にまとっていた。
ドレスを着るときは結婚式で着るウエディングドレスが1番最初だと決めていたのに。
夢ではないかと思って再び寝ようとした時だった。
コンコン
部屋のドアがノックされた。
「…はい」
一応返事をしてみる。
「失礼します。お嬢様、お目覚めになられましたか。朝食のご用意ができています。どうぞ、下の階に」
スーツを着た男の人が入って来て用件だけ伝えるとまた出て行った。
「お、おおおおおおお嬢様!?」
一体誰が!?…と自分でツッコみたいところだが、この部屋にはあたししかいない。
きっとあたしのこと…なんだろう。
自分が置かれている状態に全然整理が付いていない。
まず、夢なのかそうじゃないのか。
ほっぺたを思いっきりつねってみたけど、めちゃくちゃ痛い。
現実なんだ…。
昨日の魔法使いが出てきたことは夢だと思っていたけど、現実だったんだ…。
とりあえず、動かないと何もわからない。
部屋を出て事態を整理しよう。