フライングムーン
第十三章
私は毎日、彼の為に曲を作って彼の為にピアノを弾いた。
幸せだった。
ただそんな毎日が。
彼と一緒に過ごす毎日が。
例え雪だるまが全て溶けてなくなってしまっても彼はここに来てくれる。
また“あげるよ”と新しい雪だるまを作ってくれるかも知れない。
私は自分に言い聞かせた。
何も心配はいらない。
大丈夫なんだと。
彼と一緒に過ごす時間は私にとって何よりも幸せな時間だった。
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