囚われの姫


「黙れ、メルート。

馬鹿な女共にたかられるのは好きではない。」



苦虫を噛みつぶしたような顔でリューンは毒づく。



リューンの元に集まるのは第一王子の妻という欲に目が眩んだ令嬢や姫君が多かった。


ましてやリューンの顔立ちが良いものだから…求婚の依頼は引っ切りなしだった。



「シャターナにも側室制度が名残としてあるからね。


リューンも大変なんだよ。」




メルートの説明に、なるほど…と頷いたティアラは恥ずかしそうに俯いた。



「それでは…これは本当に夢ではないのですね……。

マクサス様、疑ってしまい申し訳ありませんでした…。」





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