囚われの姫



「信じて頂けて我々も嬉しいですよ、ティアラ姫。」



柔らかく微笑むマクサスにティアラはもう一度すみませんでした…と頭を下げた。



「あの…では、ここはゼナの離宮なのですか?」



ティアラの問いに答えたのはリューンだった。




「そうだ。…ルシカ王国はシャターナのものとなった。」


「………。

…え?」



何の説明もなく一気に言ってのけたリューンのわきで、こめかみを押さえるメルート。


ティアラは全く意味が飲み込めないでいた。




「…リューン、ティアラ姫はまだ混乱なさってるんだ。

もっとゆっくり説明しないと、余計ティアラ姫がお辛いだろ?」




先程、マクサスに言われたことをメルートはゆっくりとリューンに言って聞かせる。



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