囚われの姫
「お兄様…まだ生きてらっしゃるのですね。
…よかった……。」
安心したように微笑むティアラに、男3人は唖然としたのか目を見張る。
「…お前がそんなお人よしだから、あいつも調子に乗るんだ。
少しは改めろ。」
呆れたようにリューンは呟くと、長いマントを翻しドアに向かった。
「そいつが歩いても大丈夫なら…メルート、寝間着ではない服に変えて広間に連れて来い。
話さなければならないことは他にもあるんだ。」
「あーはいはい。分かってるよ。」
相変わらず行動が早いな…とメルートが呟くのも聞かず、リューンは足早にこの白い部屋から出て行った。