囚われの姫



「医師の立場から言わせてもらいますと…もう少し療養が必要ですが…。」



マクサスは顔をしかめているが、主の命に逆らうことは出来ないため、渋々とティアラに外出許可を出した。



「ティアラ姫、あなたは7日間眠り続けていらっしゃいました。

立ちくらみ、足元がふらつく、吐き気、目眩、いずれの症状が出る可能性があります。

その時は、すぐに私かメルートに知らせてくださいね。


遠慮なさってはいけません。

我々の役目はあなたを守ることなのですから。」



優しく諭すマクサスに促されるままにティアラは頷いたけど、彼女の心の中には疑問が広がる。




「あの…ですが…、兄が牢に入るなら、私も入るべきなのでは…?

私も…王族の1人ですし……。」



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