囚われの姫



「どうぞ安心してお着替えなさって下さい。

私共は部屋の外で待っておりますゆえ…ノチカ殿!」



メルートが扉の向こうに声を投げると…待ってましたとばかりに、勢いよくドアが開いた。



「ティアラ様っ!」


「「ティアラお姉様!」」



ドタドタと入って来た懐かしい顔ぶれに、ティアラは驚きに目を見開いた。




顔の良く似た双子の姉妹は、ティアラの脳裏に刻まれたものより大人っぽく綺麗に成長していた。


栗色の艶やかなゆるい巻き毛を片方は下ろし、片方は高く上げている。



2人の斜め後ろに立つ彼女達の乳母も感極まったのか目に涙を溜めている。



「マリア、アリア、ノチカ……。

どうしてここに…?」




驚くティアラにメルートは実は…と口を開く。




「国を併合することは簡単ではないのです…。…併合される国の王族の方にお集まり頂かなくてはならなかったのです。」






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