囚われの姫
「よろしいですか?
ルシカはシャターナに併合されたのです。
シャターナのリューン王子がティアラ様を広間に連れて来なさいとおっしゃっているのだから、遅くなっては申し訳がないのです!
それに、ティアラ様のお体は完全に回復したわけではないのです!
まくし立ててばかりでは、お疲れになってしまうでしょう!?」
ぴしゃりと双子を戒めると、ノチカは先程メルートが取り出したドレスを手に持った。
「今ティアラ様がお召しになっている服の上に着せればよろしいかしら…。」
ドレスの背中側に隠されたボタンをぷちぷちと外しティアラの上に着せて行く。
「ティアラ様…ずいぶんお痩せになられて……。」
ノチカのその声は長年ティアラに十分な栄養を与えなかったセロクへの怒りが込められていた。