家政婦のメイド派遣します!
注文をしてきた安田という男は実際何度もメイドサービスを利用していて基本的には大事件は一度も起きていない。

ただしかなり個性的な客であった。

「私こないだ行った時は1時間くらいで掃除が終わっちゃってその後は執事で付いてきてくれた志摩君も入れて3人でトランプしたんですよ、残りの2時間。」

オペレーションの合間にメイドの役もこなす綾瀬が可愛い唇を尖らせてその時の事を語る。

「私なんか『ご主人様、ご満足いただけましたでしょうか、またお部屋をお掃除させていただく日を楽しみにしています』っていつものセリフを言ったら真に受けられちゃって『じゃあ毎日きて』とか言われてちょっと引いたんだね……。」

ぶるっと斎藤がその時の事を思い出して身震いをする。

「そのあとすぐに執事役の志摩君がフォローをしてくれて、安田様も冗談だって言ってたから大丈夫だと思ったのに、結局2,3日おきに注文が入っている状況は変わらない、か……。」

斎藤の時はすぐに桃子も駆けつけて安田にメイドサービスの仕組みを説明したので良く覚えている。

外見はどこにでもいる普通の青年なのだが、俗に言うコスプレマニアらしい。
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