家政婦のメイド派遣します！

桃子と直樹が訪問したお宅はハイクラスの高層マンションだった。

エントランスのコンシェルジュに訪問先の部屋番号とアイスミックスの名前を告げると直ぐにフロアへ上がる許可が出た。

２人はエレベーターに乗って最上階へと向かう。

本日のお客様は『佐藤様』４０代の男性でお掃除のコースで３時間の予定だ。

桃子はお客様の玄関の前に到着すると手持ちのバッグから茶髪のウィッグを取り出した。

佐藤様のリクエストは茶髪の料理が得意なメイド。

本来はそういった人物が来る予定だったが、ピンチヒッターの桃子は黒髪なので

仕方なくウィッグで対応する事にしたのだ。

器用に髪をまとめ上げてウィッグになじませる。

桃子が身だしなみを整え終わるのを確かめて直樹がチャイムを鳴らした。

「佐藤様、お待たせしまた。アイスミックスでございます。」

落ち着いた口調で直樹がドアフォンに語りかける。

しばらくして鍵の開く音がした。