家政婦のメイド派遣します！
「……いらっしゃい。」

中から顔を出したのはボサボサ髪で大きなメガネかけた男性だった。

桃子を見て一瞬眼が見開かれたが、すぐに元のように眠そうな目に戻った。

「メイドさんって１人では来ないんですね…。」

２人を招きいれながら男は直樹の存在を気にするように視線を向ける。

直樹は男と視線が合うとにっこり笑った。

「執事の直樹と申します。よろしくお願いいたします。力仕事は私がやりますのでなんでもお言いつけください。」

おどおどと慌てる男に向かって直樹は、立ち止まって優雅にお辞儀をした。

２人は奥のリビングへと案内された。

男の外見から散らかった部屋を想像していた桃子だったがリビングに案内される

途中に見た限りではどの部屋も綺麗に整頓されているようだった。

お洒落な家具があちこちにセンス良く置かれている。

「いつも頼んでいる家政婦さんがお休みなので…お願いします。」

辺りを不思議そうに見まわしている桃子に気がついて男は今回の経緯を話した。

「あ、ごめんなさい……。準備をしてもよろしいでしょうか？」

桃子はすすめられるままに座ったソファで頭を下げた。
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