家政婦のメイド派遣します!
「さ~て、後は夕食作って終わりだ。」

直樹が凝った肩を伸ばすようにうーんと伸びをした。

隣では食材を買った袋を持ってクスクスと桃子が笑っている。

「じゃあ、今日のお礼に家に帰ったら直樹が食べたい物も作ってあげる。」

どうせこの仕事が終われば今日は2人とも直帰の予定だ。

自宅で父の分と2人分食事を作るのが日課の桃子は直樹を夕食に誘った。

「お、桃子の手料理ゲット。」

嬉しそうに直樹が笑った。

「祐樹さんも呼ぼうか?」

「アイツは接待だって言ってたから大丈夫。2人っきりの夕食だな」

鼻歌でも歌いだしそうな直樹に桃子はますます笑うのだった。






2人は佐藤の家に戻って食事の支度をすると再度部屋の点検をして終業のあいさつをする。

「ご主人様、ご満足いただけましたでしょうか、またお世話をさせていただく日
を楽しみにしています。」

桃子がソファに座ったままの佐藤に向かって深々とお辞儀をする。

訪問した当初はおどおどしていた彼も、今はご主人様になりきって悠然としてい
た。

すっかりこのサービスが気に入ったらしい。

「大満足です。またお願しますね。」

そう嬉しそうに返した佐藤に見送られて2人はマンションを後にしたのだった。
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