家政婦のメイド派遣します!
「どうしたの?急に……。」

どうも唯の世間話ではない事に気がついた彼女は出勤時間を気にしながらも正志の話を聞く事にする。

「海外の拠点を移す話が来ているんだ。今度は受けようと思う。」

「え?」

何度かそういった話が来るたびに正志が断っていたのを知っている桃子は少し驚いた。

しかしそれが自分と何か関係があるのだろうか?

「話が来たのはフランスの、蒼の所からなんだ。」

休みのたびに帰ってくる兄の蒼はフランスの有名なレストランで修業を兼ねて働いている。

そこのオーナーが正志の腕を欲しがっているのは知っていた。

今回は店に雇用するのではなく、資金を出すので拠点を移さないかと言っているのだと言う。
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