家政婦のメイド派遣します!
「拠点を移すなら暫く日本には帰ってこないつもりだ。桃子も来てくれないか?」

彼女ももう大人なので1人暮らしは出来る。

しかし、フランスには兄の蒼もいるのだ。

正志が言っている事は分かるつもりだった。

「でも…祐樹と直樹が…。」

桃子の脳裏に2人の顔が浮かんでは消えていった。

「桃子…こう言っては何だが、彼らのどちらかと結婚でもするのか?」

正志は真剣な目で桃子を見つめていた。

確かにそう言った話をした事はない。

いや、避けていたのかもしれない。

それはどちらかを選ぶことで1人を失う事だから…。

「考えさせて。」

桃子はバッグを掴むと家を出たのだった。
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