家政婦のメイド派遣します!
「さてゆっくりお話もしたいので、僕が取っている部屋でお話でもしませんか?」

握ったままの手をそのままに佐々木は桃子の肩を抱いて会場の外に行こうと誘ってきた。

慌てて正志が止めに入るが、桃子が断るはずがないと思っている佐々木は父親である彼の事など全く気にしていない。

「じょ、冗談……はははは。」

がっちりと掴まれた所から鳥肌が立っている。

どうしようもなくなって、桃子の口から乾いた笑いが漏れた。

「と、とにかく他にもご挨拶をする方がいますし……。」

桃子はなんとかして、彼の手を振りほどこうとするがビクリともしない。

そろそろ彼女の我慢の限界が近づく。

彼女の眉がぴくぴくしているのを見て正志が片手で顔を覆う。

「……いい加減にっ……。」

それまでの艶のある声とは一転して桃子の口から低い声が出る。
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