家政婦のメイド派遣します!
「?」

彼女の声に一瞬怪訝な顔をした佐々木が入口付近の異変に気付く。

誰か有名人でも遅れて到着したのだろうか?

周囲、特に女性が色めき立って騒いでいる。

暫くしてそのざわめきが近づいて来た。

「ほら、祐樹がとろとろしているからこんない遅くなったんじゃん。」

「仕方ないでしょう直樹がやりかけの仕事を放り出して出かけようとするからあんな事になったんですよ? 仕事を片付けてから来ると桃子と約束したんですから守らないと…。」

人込みが割れる前に待ち望んでいた声が聞こえて桃子はほっと安堵のため息をつく。

隣を見れば正志も同様にしていた。

人垣がさっと割れて桃子たちの目の前現れたのは女性たちの視線を一身に浴びながらも全く相手にしないでブツブツと遅れた言い訳を擦り付け合う長身でハイレベルな外見を持つ双子。

―――桃子の2人の王子様だった。
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