家政婦のメイド派遣します！

「出ていっていただけませんと、警備の者を呼ぶ事になります。」

こういった事が過去にあったのか彼は手慣れた様子で平然と直樹に接していた。

今にも電話で警備員を呼ぶそぶりを見せる男に直樹も流石に一瞬黙り込む。

そこへ、今まで黙って言葉を発しなかった祐樹が口を開いた。

「いい加減にしなさい。さっさとここを通せば今なら許してあげます。」
地を這うような低い声での祐樹の静かな脅しに男がびくりと緊張したのが分かる。

「お引き取りください。」

それでも負けずに男が言った。

しかし既に祐樹は男の事など見ていなかった。

自分の携帯電話を取り出すとどこかへ掛け始める。

暫くして相手が出たらしく彼は話し始めた。