ブルーブラック2


「結婚して、胡坐かいてちゃだめだぞ」


江川が最後にそう言うと、智は席を立った。


「悪い・・・今日はもう帰る」


元々そこまで酔ってはいなかった智だが、完全に酔いは覚めた。
しっかりとした足取りでタクシーに乗り込む。


「・・・まさか、江川に諭される日がくるなんてな」


自嘲して窓の外を眺める。


百合香に早く会いたい―――


会ったらまず、この腕に抱きしめて、伝えよう。


“愛している”と



< 105 / 388 >

この作品をシェア

pagetop