ブルーブラック2

「そ、そんなこと··」
「あ。戻ってきたか」


智がまだ遠くにいる社員の坂谷やバイトの長谷川を見て、こちらに向かってきているのを確認すると百合香にそっと手渡した。


「―――!」
「忙しかった時、と誰かいた時と思って」


そう言って智はスッと姿を消した。
百合香の手元にはいつもの折りたたまれたメモ用紙。


(もう!やっぱり用事があったんじゃない)


そんな風に頭の中で思っていても、やっぱりさっきの言葉は冗談でも嬉しくて、自分に逢いに来てくれたことで顔がつい綻んでしまう。

そんなニヤけ顔を隠すように俯きながらメモを開ける。



【今日ちょっと残業するから遅くなる。先に休んでてもいいから】



< 141 / 388 >

この作品をシェア

pagetop