ブルーブラック2
(残業?)
急な残業は店長には珍しい。
毎日多少残ってはいるみたいだが、本格的な残業は大体事前にわかるのがほとんどだ。
(でも、病院に行かなきゃいけなかったから丁度よかったかも―――)
百合香はホッと胸を撫でおろしてメモをもう一度見た。
(相変わらず変わらないブルーブラック···この字幅は“桜”ではないな。
でも他に似合うインクがあるかも。
たまに気分転換にインクを変えるのもいいよね)
そうしてまたそのメモはポケットにしまった。
「いらっしゃいませ」
そしてまた少しの間だけ失くした“桜”を忘れて仕事をする。