ブルーブラック2

(残業?)


急な残業は店長には珍しい。
毎日多少残ってはいるみたいだが、本格的な残業は大体事前にわかるのがほとんどだ。


(でも、病院に行かなきゃいけなかったから丁度よかったかも―――)


百合香はホッと胸を撫でおろしてメモをもう一度見た。


(相変わらず変わらないブルーブラック···この字幅は“桜”ではないな。
でも他に似合うインクがあるかも。
たまに気分転換にインクを変えるのもいいよね)


そうしてまたそのメモはポケットにしまった。



「いらっしゃいませ」


そしてまた少しの間だけ失くした“桜”を忘れて仕事をする。


< 142 / 388 >

この作品をシェア

pagetop