ブルーブラック2

決して大きな声ではない。

けれど、智の声には殺気すらも感じられるほどのもので、美咲もさすがに背中に冷や汗を感じる位だった。


そして緩んだ手を振り払うと鋭い視線で美咲を見て言い放った。


「これ以上俺に近づくな。神野さんにもな」


そう言うと智は先程よりも足早に美咲の前を去って行った。



「···な、によ···そんな顔したって怖くなんて··ないんだから」



強がりをいう美咲の手は夏だというのにこの上ない程冷たくなっていた。


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