ブルーブラック2
「いい返す言葉も流石にない、か」
そして次には嫌味ともとれる言葉と皮肉な笑い。
美咲は顔を赤くして、でも何も反論できずに黙って下唇を噛んで俯いた。
やや暫く智は腕を組んだままそんな美咲をじっと見ていた。
その時間は美咲にとって苦痛で、逃げだしたくて―――だけど逃げさせてくれないその瞳にただ必死にその場に立っていた。
いよいよ喉も張り付いたように乾ききって、限界に来るころに智が美咲に一言言った。
「一度、百合香と働いてみるといい」
「――――は・・?」
智はそうとだけ美咲に言うと、美咲を横切って階段を降りて行った。
美咲には何が何だかわからない。
ただひとつだけわかること。
“辞める前に百合香の元で働くこと”