ブルーブラック2
辞めることを許されなかった美咲は重い足取りで2階へと向かった。
バックヤードから売場に出ると、レジカウンターが見える。
そこに立っているのは坂谷とバイトの長谷川だけだとわかると少しだけほっとする。
さらに歩き進めた時に、万年筆カウンターが見えてきた。
照明が付き始めたショーケースの中から光が反射しているのを見た。
そしてその煌くショーケースに囲まれた中に、百合香を見つけた。
美咲は、ドクン、と胸を鳴らしてその場に立ち竦む。
こんな惨めな思いを抱えて、あの眩しい場所にいる眩しい人と共に並んで働かなければならない。
そしてその相手は先輩。
もしかすると、理不尽な指導もあるかもしれない。
それは全て自分が悪いのだが―――・・・
そんなことを考えていたらレジにいる坂谷が先に声を掛けてきた。