ブルーブラック2
「ありがとう。また検討してからくるから」
「お待ち致しております」
男性は購入しなかったものの満足そうに去って行った。
そして美咲はふと百合香を見ると、百合香もまた満足そうな顔をして目の前の万年筆を洗浄機へと運んでいた。
「・・・あの」
「え?ああ、ごめんね。全部一人でやってしまって・・・」
「いえ・・・その、BとかFとかって・・・?」
百合香がそっと水の入ったグラスに立てた3本の万年筆を一本手に取ると、楽しそうに美咲に答えた。
「これ。見える?」
「え?」
百合香が金色に輝くペン先の表面を美咲に向けて質問した。
それを美咲は眉間に皺を寄せながらじっ、と確認する。
「あ」
美咲はそのペン先の中の刻印に“M”という文字があるのを見つけた。
そして他の2本にも同じ位置に違うアルファベットがあるのを見せてもらった。