ブルーブラック2

「お疲れ様でしたー」


夕礼も終わってぞろぞろと社員達が事務所に戻る中、一番後ろに2階の坂谷と百合香と美咲がいた。


そのまま休憩室を通り、更衣室に坂谷が入ったところで百合香の後ろにいた美咲がピタッと止まる。

足音が急に止まったことに気付いた百合香は不意に振り向く。


「―――生田さん?」


百合香が声を掛けると、美咲は俯いていた頭をすっと上げて百合香を正面から見た。


「―――悔しいっ・・・」


嗚咽混じりのように一言美咲は吐き出した。
そして次からは早口で続ける。


「神野さんといたら、自分がまるで小学生・・・ううん、それ以下に思えてくる。子供がちょっと過ぎたいたずらをしただけかのように。
何も勝てるものがないんじゃないかって思っちゃう!」


美咲が言うようにまるで駄々っ子のような雰囲気で美咲は百合香に言った。

百合香はそんな美咲に真顔で一歩近づくと、淡々とした声で言う。



「―――そんなに他人と競争しなければだめなものなの?」


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