ブルーブラック2
「こ、怖い・・・・」
「え?」
か細く小さな声で百合香が言うことに智は聞こえてはいたが聞き返した。
「どうしよう、私・・・」
「百合香。落ち着いて?俺に教えてくれる?」
「―――智さんっ」
壊れものを触るかのようにして智は百合香の肩に手を回してそう言うと、百合香は顔を上げて智の胸の中に潜り込んだ。
「何が、怖い?」
「・・・期待することが・・・嬉しいのに、信じることが、怖い」
「嬉しいのに、怖い?」
全く見当のつかない智は、百合香からの言葉を待っていた。
「まどかさんから、電話がきて」
「え?杉浦から?なんて?」
「あの・・智さん、さっき江川さんから聞かなかったですか?」
そう逆に聞き返す百合香は先程よりは幾分か冷静さを取り戻しているようだった。
「ああ。二人目の報告のこと・・・?」
「まどかさん、直接私に言ってくれて・・・それはとっても嬉しくて。それで・・・」
その“嬉しい”がさっきの“嬉しいのに怖い”に繋がってるのかと、智はますます訳がわからないままでいた。