ブルーブラック2
「―――朱里ちゃんのあの言葉」
「朱里ちゃんのーー…言葉?」
「・・・覚えてますか?“おなまえは?”って聞かれたの」
「ああ。帰り際にだろう?」
「その言葉が、ひっかかるって。まどかさんが」
自分の胸の中で段々としっかりとした声でそう説明するのを聞きながら、智はふと、リビングにあるゴミ箱に目が行った。
そこに捨てられていたのは紙袋と小さな箱が見えて―――
「朱里ちゃんがまどかさんにも、同じ質問をしたって。――お腹を指して」
智の視界に入ったものと百合香の言葉の意味がその瞬間一致した。
「百合香、まさか―――」
思わず両手で百合香の腕を掴んで正面から顔を見た。
その百合香の表情は何とも言えないもので・・・
「あの、そう・・・なんです。それで、調べたんです」
「・・・・」
どちらの答えが聞かされるのか、五分五分の智は何も言えずにただ百合香の口の動きだけに全神経を集中させていた。
「―――陽性反応が・・・」