触れる音感 《密フェチ》
でも、コレはただの同僚。

会社を休んだ彼に、会社から預かった届け物をしただけ。

「風邪、うつさないから、もうちょっとだけ、いて」

冗談じゃない。

この見た目にダマされて、痛い目を見てる同僚もいるんだ。

「ごめん、急いでる」

「でも、一曲聴く間でいいから。ほら、あの曲。手に入れたんだよ。聴いてかない??」

「あの曲?」

あたしはつい、彼に向き直る。

タイトルが出てこないらしく、彼は、困って、

歌いだした。

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