囚われ姫~今宵降りゆく星屑は~
そう。
あたしに初めての痛みだけを残して、あたしを拉致した男は名前も名乗らず逃げたのだ。
「眠らせられてここに拉致られてボスさんの餌にされた、が正解よね、夏凪さん?」
後ろからかかる声に、あたしは身を竦めた。
その声は確実に願っていた声とは違ったあどけない少女のそれだったから。
「それとも宮星刹那さんとお呼びした方が良いですか、お嬢様?」
「な…んでそれ…」
「あぁ、自己紹介が遅れたわね。私は豊浦組No.5、獄瀬夏乃[ゴクセカノ]、17歳よ。隼人に言われて張ってて良かったわ。さあ逃げるわよ。詳しい話はそれからだわ」
あたしに初めての痛みだけを残して、あたしを拉致した男は名前も名乗らず逃げたのだ。
「眠らせられてここに拉致られてボスさんの餌にされた、が正解よね、夏凪さん?」
後ろからかかる声に、あたしは身を竦めた。
その声は確実に願っていた声とは違ったあどけない少女のそれだったから。
「それとも宮星刹那さんとお呼びした方が良いですか、お嬢様?」
「な…んでそれ…」
「あぁ、自己紹介が遅れたわね。私は豊浦組No.5、獄瀬夏乃[ゴクセカノ]、17歳よ。隼人に言われて張ってて良かったわ。さあ逃げるわよ。詳しい話はそれからだわ」