君の声がききたい
キョロキョロする沙和に聞く俺…



「沙和――!」




すると…後ろから沙和を呼ぶ、女の声がする。

振り返ると、デカいサングラスをかけた女の人が、一番奥の席に座って、俺たちに手を振っていた。

沙和にそのことを教えると、沙和は笑顔でその人に手を振って近づく。





――『お姉ちゃん!』

「沙和。久しぶりだね!」


この人が、沙和の姉ちゃんか…



――『紹介するね。私のお姉ちゃんだよ』

「はじめまして。沙和の姉の紗江子(さえこ)です」


サングラスを外して、ぺこっと頭を下げる紗江子ちゃん。



沙和の姉ちゃんは、キレイ系で…

バリバリ仕事してますオーラが出ている感じ。


沙和に似てるっちゃ似てるけど…雰囲気はちょっと違う。

わかりやすく言えば、

沙和はかわいい系で姉ちゃんは美人系だ。




「柏木 奏です」


俺もぺこっと頭を下げた。




「とりあえず座って、なんか頼みなよ!」


姉ちゃんが、自分が座っている向かいの空いている席を指差した。

俺と沙和は席に座り、飲み物を注文すると…すぐに飲み物が運ばれてきた。




――『久しぶりだね。元気だった?』
< 231 / 314 >

この作品をシェア

pagetop