君の声がききたい
俺がそう言うと、沙和はキッチンにある小さい時計を見た。





――『あさっては引っ越しでしょ?明日はバイト?』

「明日は休み取った」

――『そっか♪じゃあ今日はうちに泊まる?』

――『いや。今日は帰るよ…で、明日迎えに来るから…』

――『え…』


俺の言葉に、ぴたりと動きを止める沙和。




――『沙和。明日…モカとココア親戚に預かってもらえる?』

――『え…多分大丈夫だと思うけど…』

「そっか、じゃあ…」


沙和の頭をポンと撫でる俺。

そして…









「明日…俺んち泊まりこいよ…」

「―――!」


沙和の顔はみるみる赤くなっていく。





「…返事は?」

――『…はい』


恥ずかしそうに頷く沙和。



――『明日はなんも用意してこなくていいから。』

――『…どーして?』

「いいから」

――『…うん(?)』






明日は

暑い夜になりそうだ。





つーか、なる。←
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