HERO
「痛い?」



特に嬉しそうにするわけでもなく、無表情で私にそう問いかける。


本当は、痛がってる私を見て、心の中では大喜びのくせに。



私は、その問いかけに返事なんかしてやらなかった。


それで満足なのか、首元にキスをおとす合間に、またたまに噛んだ。



その度に、また私は同じように痛がって。


そして震えて、涙をながしてた。



「ほら、そうやって俺を煽る」



怯える姿が、たまらないんだよ、俺を煽る


さっきこいつはそう言った。



もうこんな言葉、何とも思わない。


もっと理解できない言葉を、昔、散々聞いたから。
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