HERO
でも次の瞬間には、その自分を嫌というほど馬鹿だと思い知らされる。


キスしていたかと思えば、唇を少し強く噛まれる。



「や...痛...」


その微妙な反応は、そいつの思ったほどではなかったみたいで。


徐々に噛む力が強くなる。



「痛い、いや!」



別に、オーバーな反応をしたわけじゃない。


本当に、ものすごく痛くて。



やっと離してもらえた唇を舐めると、血の味がした。



「なあ、何をしたら、もっと痛いかな」



そんな言葉が、あまりにも恐ろしくて首を横に振る。


誰か、助けて。
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