HERO
「私のことは、ほっといて...。お願いだから、帰ってよ」



こんなこと、本当は言いたくないのに。


思ってもいないのに。



でもお願い、わかって。


私は、こうすることしかできないから。



「とーま、頼む」


「本当にいいんですか?」


「そうするしかないから」



なんだかよくわからない会話が、わんこととーまの間で行われてた。


私の話、聞いてたかな。



「仕方ないですね」



とーまはそう言って、ケータイを取り出した。


そして、こっちに近づいてくる。



何をするかと思えば、ずっとケータイを私たちに向けている。


多分、動画撮ってる。
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