HERO
「急に来てしまって、申し訳ありませんでした。これからも、美亜さんは僕が守りますから、心配しないでください」



そんな言葉に、母は少し笑った。


笑っちゃうよね、誰だって。



こんな真剣な顔しちゃってさ。



「やっぱりあなたに頼んでよかったわ。本当に、ごめんなさいね...」


「いいえ、こちらこそ。では、失礼します」



もう、母と目を合わせなかった。


歩き出すわんこについて、私も歩く。



「あ、そうだわ」


急に母がそう言うから、足を止めざるを得ない。


振り返ったのはわんこだけで、私はもう玄関ばかり見つめていた。
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