HERO
ちょっとだけ、静かな空気が流れて。



「そろそろ出ないと遅刻してしまうので、出かけます」



とーまがそう言ったのは、彼女を追いかけて何か言葉をかけるためなのか。


それとも、この気まずいような雰囲気から逃げたかったのか。


私にはわからない。



そして何よりも、わんこと二人きりになったこの状況。


やばい、今更だけど、なんだか緊張する。



守らなきゃいけない人がいるから、わんこはそう言った。


それって、ねえ、それってさ。


私だって、思ってもいいやつなのかな。



まともにわんこの顔が見れない。
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