HERO
「ねえ、美亜さん」


「え!?」


急に名前を呼ばれて、声が裏返る。


わんこが真っ直ぐこっちを見てるけど、私は全然目を合わせられない。



何も言わないまま、自分が座ってるソファの隣をポンポンと叩いた。


座れってことですか。


目を合わせないように、ゆっくりそこに座る。



手が震えてる。


こんなにドキドキしたのは、初めてかもしれない。



「なんでもない」


「は?」


「何でもないよ、言うのやめた」


「何それ」



私のドキドキを返せ。


なんて、思ってる場合じゃなかった。



「いや、あのね、好きだよ、美亜さん」


言うのやめたんじゃなかったの。


ていうか、何言ってんの。
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