ご奉仕ワーリィ
そうして、おやすみなさいの言葉に虚しさを見いだす。
彼がいなくなった自室の広さには滅入ってしまう。
王女らしくと、部屋全体に敷き詰められたペルシャ絨毯に、職人に一年がかりで作らせたとか言うインテリアの数々。そうして、私が今いる天涯つきベッドでさえも、全てが物足りないと感じる。
前は、『無駄遣いだ』と思っていたのに、彼の背中を見送ったあとに見れば、どれもこれもが『足りない』と欠陥品のように思えた。
「……」
特に、このベッド。
クイーンサイズのベッドだなんて、一人の時は余計に寂しさを際立たせる。
気晴らしにシャワーを浴びようかと思ったが、気力がないので横になる。
たゆんだシーツのシワを伸ばそうとし、そこに温かみがあったのを知った。