ご奉仕ワーリィ


眉間を指で揉み、息を長く吐いたあとに、ラハティーは王女の自室に戻った。


今宵、この部屋に来たのは下半身王(脳)たる男を制裁するためであって、王女を相手するつもりなどなかったが。


「昨日の今日に……」


すうすうと寝息を立てて、深い眠りにつく王女を間近で見た。


多感なのか、女の性に関しては男たる自身には分からぬも、まさか女がこんな行為を頻繁にするとは思っていなかったために、王女のあり方に疑問を持つ。


女に理想を押し付け、夢見がちになる歳はもう過ぎたからこそ、初めてあの場面を見たときは容認できたが――今でもやはり、「あの王女が」と思ってしまう。


ラハティーが見る分――いいや、王女を見る全ての者が、王女のなり形を聖人と見ている。


俗世間に似合わない、汚いこと、穢れたことと無縁な、立派な人物像が王女にはあった。


< 110 / 174 >

この作品をシェア

pagetop