ご奉仕ワーリィ


「離れられないくせに――」


離すつもりもないくせに、別れやすいように中途半端にするなよ。


「……」


怖がっていた。
今以上の関係が自身には築けないのではないかと。


今のままが満足とは言えないものの、最善であるのには違いない。


離す離さないは想い一つで成し遂げてみせようが、彼女の人生――王女としての培われてきた栄光(過去)や不自由ない日々(未来)を、自分勝手に奪い、壊したくなかった。


本当はあの日、あんなことした自分を王女が拒絶してくれれば、何もかも終わって、また王女は変わりない毎日を送れたであろうに。


「なんで……」


この恋を諦めさせてはくれないんだ――



< 115 / 174 >

この作品をシェア

pagetop