ご奉仕ワーリィ
「陛下は何もせずとも――」
近づく彼の顔に手をかざした。
叩くつもりはなかったが、こちらが押して、あちらが近づいての形のせいで、私の手の平が彼の顔にぺちんと当たった。
乾いた音に似合う、虚をつかれたような彼の顔。私の指の隙間から覗く目が大きく見開いている。
「理不尽……」
「はい?」
「理不尽、不公平、不平等……」
「えぇと……」
「卑怯、卑劣、ずるい……、ずるいずるい、ずるいっ!」
「……」
「なんで私ばっかりがこんな……っ、『何もしなくていい』とか『そのままでいろ』とか『無理しなくていい』とか、とかとかとかっ、どうしてっ。私はこんなにも、あなたを好きでいるのにっ、なんで愛することを我慢しなきゃいけないの!」