ご奉仕ワーリィ


「ちょっとしたことでは、周りは納得しないでしょう。純情なる陛下をほだして騙した嫌な男として、俺はあなたから引き離される。本当はあなたが、俺から離れたくないとごねて泣いておねだりしちゃう事の発端であるというのに」


「な、そんなこと……!」


「あれ、違いましたか?おかしいですねぇ。俺の聞き間違いでしょうか。ええと、確か陛下は俺に『そばにいて』と涙目になりながら――」


「言うなーっ」


勢いつけて喋ったつもりでも、喉から声が上手くでない。……声を出しすぎて、掠れていた。


「ということで、陛下が俺を離したくないとおっしゃる寂しがりやのは確定しましたが。残念なことに俺は一介の兵士。王女たるあなたと釣り合いません」


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