ご奉仕ワーリィ
「ちっ……」
忌々しく、面白くなかった。舌打ちした兵士の隣にいた者も似たような心境らしく、続けざまに「後衛部隊風情が」と合いの手をいれてきた。
前衛部隊(ライト・ナイト)にとって、後衛部隊など『安全地帯で弓打つ奴』としか見ていなかった。
言うならば、弱者。サポート役にしか徹せず、決して命を賭ける前衛部隊と釣り合いなど取れない――いや、あってはならない部隊なのに、最近になって、後衛部隊のエースとやらが前衛部隊(こちら側)に顔を出し始めた。
エースと言っても、弱小の中のエースではどうせ弱いことには変わりないと思っていたのに――あのラハティーは前衛部隊に“違和感なく溶け込んでいた”。